高田光穂氏((大正11年3月18日~平成5年3月13日)享年74歳

 

 

  昭和33年1月札幌川柳社創立に参画。2月川柳さっぽろ「創刊号」の編集人 

 

  の一人。国鉄に勤務。札幌川柳社副主幹。幌都集選者。北海道川柳連盟

 

  常任理事。句集「波しぶき」「有珠」

 

 

≪十七選句集≫

   波しぶきより (川柳叢書第9集・昭和50年1月発行)  ・・・ 岡崎  守 選

 

   ・護岸崩れ人智を嗤う波しぶき

 

   ・釣り談義ビールの泡も消えている 

 

   ・健康であって健康忘れられ   

 

   ・復務して三年無事故の屠蘇の膳  

 

   ・初テレビ据えた茶の間の灯が円い

 

   ・それぞれのサンマが焼ける大家族

 

   ・我を遂に通して独り隅にいる 

 

   ・妻のいうなりに無駄なき棚の位置 

 

   ・上役の視線へ重い荷をかつぎ      

 

   ・子に歩幅合わせて芝生の香に浸り

 

   ・損をしてやる気男にしてやる気     

 

   ・意見する涙は過去に触れてくる    

 

   ・発令へもう改まる言葉つき    

 

   ・稼ぐ人散歩の人を振り向かず

 

   ・望郷の民謡裏窓から聞こえ  

 

   ・出世するために尾を振る犬を真似

 

   ・さりげなく残った銚子数えてる