2020年7月号

 巻頭言

   「光明」

     卯月から皐月の扉が開けられ、自然界は人間の社会を笑うかのように、華やかな彩の舞台

   を繰り広げています。その時の移ろいの中で人々は、緊急事態宣言に戦き、三密を守り、医

   療体制の逼迫、一斉休校、倒産や解雇など、あらゆる問題の波に巻き込まれております。

    すべては時が解決してくれるのでしょうが、人間の強さと弱さを再認識させられています。

   さてこのような状況だからこそ、光明を見つけ出すチャンスだと思っています。

    僕の予定も3月からほとんど中止となりました。でも時間的な余裕が生まれました。パソ

   コンをウィンドウズ7から10に替えて、「世界一わかりやすい」本を見ながら学び、原稿を

   書き溜めています。

    ホームページ「歴史の人」、「川柳の基礎知識1・句会」、「川柳への一問一答など」、

   少しでも川柳のために残そうと考えてキーを叩いています。暇な時間の有効活用として、何

   かを残せることに感謝しています。

    光明とは、逆境のなかで見いだす、希望や解決のきざし。新型コロナのパニックが終息し、

   日常の有り難さを実感できる日を熱望したいと思います。皆さんと会える日を待ちながら。

         

        こんなとき背伸びしようよ光明よ   岡崎  守

    

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【あかしや集】:岡崎  守 選

   ・コロナ禍に届いたバラの癒しかな    村山 道子 ・・・ 特選句

   ・降臨の邪神コロナの意図如何      山口 昭悦 ・・・ 秀 句

   ・モノクロの駅前通リ無言劇       堺 あつ子      〃

   ・無観客試合にも似た独り飯       小原 金吾      〃

   ・にんげんの英知信じてかたつむり    加藤 民子      〃

   ・立ち向かう風の言葉を盾にして     藤澤美津子      〃

   ・にんげんの川どん尻で渡る自負     梶川 智志      〃

 

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【ぽぷら集】:鈴木 厚子 選

   ・願わくばさらば一声風にのる      井上 サヨ ・・・ 特選句

   ・蝦夷桜満開コロナ怒怒怒怒怒      原田つとむ ・・・ 秀 句

   ・一人きり言葉が涸れてしまいそう    折原 博美      〃

   ・プライドの山を切り裂くウィルス禍   横堀由紀子      〃

   ・年寄りの残り僅かを喰うコロナ     番匠甚五郎      〃

   ・老木はやがては煙 人を恋う      山本 貞子      〃

   ・皆マスク足りているのか足りぬのか   小関 虎風      〃

   ・リハビリのおしゃべり弾むマスク越し  荒井 俊光      〃

 

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【幌 都 集】:酒井 麗水 選

   ・命だもの光の中で生まれたい      宇佐美愼一 ・・・ 金鈴抄 

   ・大鏡はっとするほど老いていた     出雲恵美子      〃

   ・抱きしめる君の瞳に夏の星       高嶋 克明      〃

   ・買い物へ一直線の眉引いて       橋本利恵子      〃

   ・スティホーム部屋のガラスもピッカピカ 桐澤都志子      〃

   ・丑の日のサンマ蒲焼き年金者      木下 昭夫 ・・・ 秀 句

   ・耳鳴りが夢の中までついてくる     小山 和子      〃

   ・良い種を蒔けよと母の諭す声      米沢とよ子      〃