巻頭言
「未来への一歩」
日一日と春の訪れを感じる季節になりました。野や山に草花が咲き、動物や虫たちも
一斉に顔を出し始めています。
4月をイメージする言葉には「春暖」「陽春」「春爛漫」「春光」などがあります。また、
4月といえば桜のお花見があり、入学式、入社式など新しいことが始まる季節でもあります。
札幌川柳社では。1月の同人総会でご承認いただいた、「(仮称)札幌川柳社七〇年史刊行
委員会」をこの4月に立ち上げます。
平成20年3月1日発行された「札幌川柳社五〇年史」以降の20年についての歩みをま
とめます。皆さんの自宅に眠っている写真や冊子などはありませんか?また、エピソードな
ど幅広く募集しておりますので、ぜひ情報をお寄せください。会員一人一人の力を合わせて
歴史を紡いでいきましょう。
七〇年史発行はゴールではありませんが、80年、90年、100年と続くよう皆さんと知恵を
しぼって歩んで行きたいと思います。
会員皆さまの更なるお力を賜りますようお願い致します。
「未来へと一歩踏み出す五七五」 佐藤 芳行
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【 あかしや集 】:佐藤 芳行 選
・これからを生きる私の森がある 石田 酎 ・・・ 特選句
・春の眉やさしくひいて逢いにゆく 菊池ひかり ・・・ 秀 句
・試着室春をまとってハイポーズ 柴田加奈子 〃
・夢語る子の目に光る未来の絵 白幡 恒夫 〃
・卒寿です皺も自慢の笑顔咲く 石川 黎華 〃
・ポケットにもぞもぞ動く好奇心 東 考矢 〃
・まだまだと生命線におだてられ 大坪 寒流 〃
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【 ぽぷら集 】:沼澤 閑 選
・生き方をB面に変え旨い酒 浜 正吉 ・・・ 特選句
・冬を脱ぐ公園散歩リハの道 田村のぶ江 ・・・ 秀 句
・一本の鉛筆で書く平和の詩 福島あけみ 〃
・スマホデビュー脳に新たな風を入れ 福田 正響 〃
・憎しみを捨てたところに出る新芽 佐藤 園江 〃
・三日月に斬られた傷の甘やかさ 一家 汀 〃
・パレットが開かれてゆく笑い声 飯澤 理子 〃
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【 幌 都 集 】:松本 淳子 選
・顔色を読んで気づかううらおもて 辻 冨美子 ・・・ 金鈴抄
・春風は給油の目盛り減らす役 河原いく子 〃
・探しても自慢話のない孤独 吉田 隆輝 〃
・耳元が春の知らせかあたたかい 柴田 郁子 ・・・ 秀 句
・亡き友のライン削除にありがとう 笠原 祥巌 〃
・通りゃんせ君は絶対通さない 能登あつ子 〃
・わたくしをたまに濾過する陽にあてる 高橋くるみ 〃