2025年4月号

 巻頭言

   「未来への一歩」

 

    日一日と春の訪れを感じる季節になりました。野や山に草花が咲き、動物や虫たちも

  一斉に顔を出し始めています。

   4月をイメージする言葉には「春暖」「陽春」「春爛漫」「春光」などがあります。また、

  4月といえば桜のお花見があり、入学式、入社式など新しいことが始まる季節でもあります。

   札幌川柳社では。1月の同人総会でご承認いただいた、「(仮称)札幌川柳社七〇年史刊行

  委員会」をこの4月に立ち上げます。

   平成20年3月1日発行された「札幌川柳社五〇年史」以降の20年についての歩みをま

  とめます。皆さんの自宅に眠っている写真や冊子などはありませんか?また、エピソードな

  ど幅広く募集しておりますので、ぜひ情報をお寄せください。会員一人一人の力を合わせて

  歴史を紡いでいきましょう。

   七〇年史発行はゴールではありませんが、80年、90年、100年と続くよう皆さんと知恵を

  しぼって歩んで行きたいと思います。

   会員皆さまの更なるお力を賜りますようお願い致します。

   

      「未来へと一歩踏み出す五七五」 佐藤 芳行

 

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       【 あかしや集 】:佐藤 芳行 選

 

     ・これからを生きる私の森がある    石田  酎 ・・・ 特選句

     ・春の眉やさしくひいて逢いにゆく   菊池ひかり ・・・ 秀 句

     ・試着室春をまとってハイポーズ    柴田加奈子      〃

     ・夢語る子の目に光る未来の絵     白幡 恒夫      〃

     ・卒寿です皺も自慢の笑顔咲く     石川 黎華      〃

     ・ポケットにもぞもぞ動く好奇心    東  考矢      〃

     ・まだまだと生命線におだてられ    大坪 寒流      〃

 

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       【 ぽぷら集 】:沼澤  閑 選

   

    ・生き方をB面に変え旨い酒      浜  正吉 ・・・ 特選句

    ・冬を脱ぐ公園散歩リハの道      田村のぶ江 ・・・ 秀 句

    ・一本の鉛筆で書く平和の詩      福島あけみ      〃

    ・スマホデビュー脳に新たな風を入れ  福田 正響      〃

    ・憎しみを捨てたところに出る新芽   佐藤 園江      〃

    ・三日月に斬られた傷の甘やかさ    一家  汀      〃

    ・パレットが開かれてゆく笑い声    飯澤 理子      〃

   

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         【 幌 都 集 】:松本 淳子 選

  

    ・顔色を読んで気づかううらおもて    辻 冨美子 ・・・ 金鈴抄

    ・春風は給油の目盛り減らす役      河原いく子      〃

    ・探しても自慢話のない孤独       吉田 隆輝      〃

    ・耳元が春の知らせかあたたかい     柴田 郁子 ・・・ 秀 句

    ・亡き友のライン削除にありがとう    笠原 祥巌      〃

    ・通りゃんせ君は絶対通さない      能登あつ子      〃

    ・わたくしをたまに濾過する陽にあてる  高橋くるみ      〃