巻頭言
「心に響く川柳」
「みんなちがって、みんないい」この言葉は金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」
の一節です。心に響く言葉・やる気が出る名言30選にも選ばれており、私が人間
関係で悩んでいたとき出合った「心に響く言葉」です。
「私と小鳥と鈴と」は童謡にもなっていて、子どもたちにも人気のある詩で、
金子みすゞの代表作の一つです。「みんなちがって、みんないい」「あなたはあ
なたでいい」とうたっています。人間を含めて地球上の全てのものは、違うから
それぞれ存在することができるのであって、みすゞは小鳥も鈴も自分そのもので
あり、優劣をつけることなくあたたかな眼差しを向けています。命のある、なし
は関係なくどちらも尊いのですね。
川柳を始めて30年ほどになります。みすゞの詩のように「心に響く川柳を！」
といつも思いながら句作りをしているのですが・・・、なかなか上達しないのが
悩みの一つです。川柳の道も人生と同じで山あり谷ありの道が続きますが、「川
柳に正解はない」「みんなちがって、みんないい」と、元気で楽しく川柳を続け
られたらいいと思っています。いつかは「心に響く川柳」ができるようにと歩み
続けます。
『 明日へと心に響く五七五 佐藤 芳行 』
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【あかしや集】：佐藤 芳行 選
・墓参り頬撫でる風 母かしら 荒井ともこ ・・・ 特選句
・物価高ちくわの穴を食べてます 高宮まゆ未 ・・・ 秀 句
・継続の力が運を引き寄せる 荒木 茂儀 〃
・人生の余白あなたで埋め尽くす 清水ひろ子 〃
・ヴィヴァルディ心を洗う春の使者 小山内 睦 〃
・朝咲きの小花供える八月忌 井上 サヨ 〃
・悩みなど何処吹く風と旅の宿 石川 黎華 〃
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【ぽぷら集】：沼澤 閑 選
・日常を切り裂いてゆく救急車 宇佐美愼一 ・・・ 特選句
・細胞のざわめきつれて旅仕度 遠藤 俊二 ・・・ 秀 句
・人は人心にきざみ前を向く 小山 和子 〃
・老人の自覚はあるさスクワット 西嶋りょう子 〃
・父母の碑に甘えて縋る願い事 谷野 幸成 〃
・幸せの水は酒より度が高い 石出 栄光 〃
・食欲の盛んな子らに託す明日 福田 正響 〃
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【幌 都 集】：落合 魯忠 選
・物言わぬ今日の右脳は死んだふり 田村のぶ江 ・・・ 金鈴抄
・マニュアルに個性を消した顔ばかり 惠利 菊江 〃
・四股ふんでボディーラインを整える 桐澤都志子 〃
・群青の空も飲み込む大ジョッキ 亀貝えみ子 〃
・齢を脱ぐ今を噛みしめ丸く生き 浜 正吉 〃
・上書きの記憶箱からエッセンス 飯澤 理子 ・・・ 秀 句
・ほどほどの元気と弱気みせて生き 澁谷ノリ子 〃
・まだ出来る少し背伸びの夢を追う 佐藤 園江 〃
・濃い夏の影にひそんで息をつく 高橋 節也 〃