2019年6月号

巻頭言

 「新元号」

 

     4月30日に天皇陛下が退位され、5月1日に皇太子さまが新天皇に即位され、新元号の「令和」が

       施行されました。日本初の元号とされる「大化」(645年)から数えて248番目となりました。

    改元は明治以降、天皇一代に一つの元号を定める「一世一元」制が用いられ、天皇逝去に伴う皇位

   継承時に行われてきましたが、憲政史上初の天皇陛下の退位による改元となりました。

    これまでの元号は確認されている限り中国の古典に由来しており、日本の古典(国書)の万葉集か

       ら初めて引用されました。安倍首相は「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意

       味が込められている」との談話を発表しました。

    賛否両論がありますが、平和を守りながら文化を育てることが重要だと思いますので、「令和」の

       時代に期待を寄せたいと思います。

    川柳「さっぽろ」誌も、地域文化の一端を担っていますので、みんなで力を合わせながら歴史を刻

       み続けたいと考えています。そのためには、常に刷新の階段を上らなければなりません。とはいいつ

       つも「言うは易く行うは難し」ですので、みなさんの尽力をお願いいたします。

          文化の灯令和に夢の結束を     岡崎 守

    

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  【あかしや集】:浪越 靖政 選

  

   ・立ち直るために恋しくなる楽器      酒井 麗水・・・特選句

   ・出来心でした四角い太陽描いたのは    藤澤美津子・・・秀 句

   ・コンセント壊す言い訳用意して      清水ひろ子    〃

   ・むすんでひらくふたりの夜に雨のふる   澤野優美子    〃

   ・感度良好ちょうの吐息にくすぐられ    大久保貴美子   〃

   ・いつからか恋はグラデーションになる   梶原 百華    〃

   ・二人だけスノードームに閉じ込めて    岡本恵美子    〃

     

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【ぽぷら集】:佐藤 芳行 選

 

   ・ポジティブに「令和」を迎え五月晴れ  東  考矢・・・特選句

   ・見栄という衣を脱いで楽に生き     島田 英子・・・秀 句

   ・この風に乗って行きたい未来まで    澤畑 厚子    〃

   ・原点にもどり余生をくみ替える     井上 サヨ    〃

   ・偶然が重なり今も生かされる      片山 葉一    〃

   ・喜寿なんて未だと卒寿に諫められ    小林ともき    〃

   ・アポ電に家政婦ですよと電話切る    横堀由紀子    〃

   ・心配性なんどもたたく橋がある     菊地 昌代    〃

 

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【幌都集】:鈴木 英雄 選

 

   ・晩学の辞書に付箋の花が咲く    遠藤 俊二・・・金鈴抄

   ・おはようと返す日常小津世界    佐藤 園江    〃

   ・夏の雲ポンと背中を押してくれ   石出 栄光    〃

   ・角砂糖かけら残して消えた恋    中川 孝子    〃

   ・受容した老いにも潜む天の邪鬼   出雲恵美子    〃

   ・人当たり柔らかすぎて不安ふえ   山之内美根子・・・秀 句

   ・愛されているのが頼りばらの笑み  橋本利恵子     〃

   ・夫婦箸手抜きを隠す温野菜     羽生 良子     〃